第11回自主勉強会
20013年(平成25年)
発表者;大野原店 宇川 亮
議題;症例検討会 2013 6/20
エパデールやアリセプトを初めて飲む人に、どんな注意をしなければならないか。
アリセプトは本人に渡す場合と家族に渡す場合ではそらぞれどのように渡すのがいいのか
意見を出し合った。それに付随して、『薬が違うといわれた場合』『薬が足りないといわれた場合』
の対応についても話し合った。
第12回自主勉強会
20013年(平成25年)10月24日
西香川店 真鍋 祥子 ジェネリック医薬品の選択について、検討した結果を周知しました。 |
メーカーさんから「うつ病と痛みについて」の話
うつ病の患者様のうち、何らかの痛みを併せ持つ方が6割いると言われている。 |
春日店 本木 哲生 皮膚トラブルと漢方処方例を考えてみる。 はじめに… 〜皮膚の構造と役割〜 表皮…最も外側にある薄くて丈夫な層で、細菌、ウイルスなどの異物が体内に侵入するのを防いでいます。また、皮膚の内側にある筋肉、神経、血管を外傷から守る働きもしています。 真皮…タンパク質のコラーゲンや弾性線維などの線維成分と間質からなり、皮膚に弾力性と強さを与えています。真皮内には神経終末、皮脂腺、汗腺(エクリン汗腺、アポクリン汗腺)、毛のう、血管があります。 皮下組織…皮下脂肪の層で体を外気の熱さや寒さから守り、クッションのように体を保護する役割と、エネルギーの貯蔵部位としての役割を果たしています。
なぜ、かゆみはおこるのか…? ⇒皮膚に存在する肥満細胞と呼ばれる細胞から分泌されるヒスタミンがかゆみを引き起こす重要な役割を果たすことが知られています。 ヒスタミンは、痛みやかゆみを知覚する「知覚神経」に作用し、その刺激がかゆみとして脳に伝えられると同時に、その刺激は神経の末端にも伝えられ、神経ペプチドと呼ばれる神経伝達物質を放出させます。そして、この神経ペプチドは肥満細胞を刺激し、さらにヒスタミンを分泌させます。 毛細血管拡張…赤み 血管透過性亢進…腫れ かゆみ神経刺激…かゆみ ドライスキン(皮膚の乾燥)も原因のひとつと考えられています。 漢方処方 アトピー性皮膚炎…皮膚バリア機能低下、アレルギーを起こしやすい体質(アトピー素因)やストレスによる免疫系の異常などが、複雑に絡み合って発症する病気です。 ・消風散(実証〜中間証);汗をかき赤みやかゆみが強い熱のある湿疹によく使います。 にきび…ホルモンバランスの異常やストレスなどで皮脂の分泌が亢進し、また毛穴のつまりにより面靤(コメド)が形成されることで、発症します。外的刺激や寝不足などの体調不良が加わり、感染を起こすと化膿して、赤く腫れて膿疱になります。また、女性の生理前などホルモンバランスの乱れる時期に出来やすくなり、便秘や脂っぽい食事なども影響します。 ・清上防風湯 ;化膿傾向が強く、皮疹がとがったタイプ。比較的若い人に処方されることが多い。 じんましん…アレルギー反応により、真皮内の血管透過性が亢進し膨疹を形成し、通常数時間で跡形無く消えます。多くのものは急性で、原因となるものを避け抗アレルギー薬の内服で症状を抑えていきます。慢性のものは体質的蕁麻疹とされ1ヶ月以上に渡り症状が続き、はっきりした原因がわからないことと、抗アレルギー薬を長期に飲まなければならないことが問題です。じんましんの種類には、お薬や食べ物によるもののほか、寒冷蕁麻疹、物理的じんま疹などがあります。 ・茵ちん五苓散;口の渇きやむくみ傾向のあるもの。アレルギーを抑え余分な水を排出します。 手荒れ(主婦湿疹、職業性湿疹)…仕事を始め、良く水を使う、パソコンを触る、事務職で紙を良く触るなどにより手の皮脂が減少しバリア機能が低下することで、さまざまなものにアレルギーを持ちかぶれることで、湿疹となります。皮疹は、指の腹側、背側にガサガサしたもの、ジクジクしたものやひび割れなども生じることがあります。 ・温経湯;冷え症で、手足のほてりがあり口の渇く方に使います。 しもやけ(凍瘡 ・当帰四逆加呉茱萸生姜湯;冷え症があり手足が冷たく触れるような場合に使います。 円形脱毛症…ストレスなどで、頭髪の毛根部に対する自己抗体(アレルギー)が出きて、生じるとされています。一般的に、単発性など軽症のものについては、セファランチン、グリチロン内服、フロジン液外用などが行われます。精神的なストレスの影響を受けやすく、不安や悩み、イライラがあると、その攻撃の引き金が引かれて脱毛の程度が重くなることが知られています。 口内炎 ・半夏瀉心湯;気持ちを静め、消化器の炎症をのぞくことで効果を発揮する。 ついでに。。。 アトピー性皮膚炎の指標〜TARCって?〜 TARC(thymus and activation-regulated chemokine)とは、白血球に対して走化性などを示すケモカインの1つです。アトピー性皮膚炎では、病変部の表皮角化細胞により産生されたTARCがリンパ球(CCR4を発現するTh2細胞)を局所に遊走させ、Th2優位の免疫応答により、IgE産生や好酸球の浸潤・活性化が惹起されてアレルギー症状が出現すると考えられています。 アトピー性皮膚炎の治療においては、重症度に応じて外用ステロイド剤の薬効等を慎重に選択する必要があるので、その重症度を正確に把握することが不可欠です。血清中のTARC量は、これまでの検査に比べて、アトピー性皮膚炎の重症化に伴い比較的大きな変化を伴う上昇を示し、病態を反映する検査であることが示されました。従って、アトピー性皮膚炎と診断された患者の治療薬の選択・変更を検討する際の重症度評価において、主体となる皮膚炎症状の評価に加え、TARC検査は重症度評価の補助として臨床的に有用であると考えられます。 参考基準範囲 小児(6〜12ヶ月) :1367pg/mL 未満 小児(1〜2歳):998pg/mL 未満 小児(2歳以上):743pg/mL 未満 成人 :450pg/mL 未満 アトピー性皮膚炎の重症度判定の目安
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